紫外線85%カットの新複合粒子を開発…岐阜

紫外線85%カットの新複合粒子を開発…岐阜

日焼けやシミの要因になるとされる紫外線を効率よくカットする複合粒子を、岐阜県セラミックス研究所と窯製造業「河合石灰工業」(岐阜県大垣市)、岐阜大学が共同で開発したと11日、発表した。

 従来、使われてきた細かな粒状の紫外線遮蔽材に、うろこ状のアルミ化合物を混ぜ合わせることで、紫外線のカット率が3倍近く上昇したという。既に大手化粧品メーカーなどから引き合いが来ているといい、同研究所では「この技術が実用化され、製品として広まれば」と期待している。

 紫外線は皮膚がんも引き起こすとされるほか、カーテンや家具などの色あせの原因ともなっている。化粧品やメガネ、ガラス窓などの製品には紫外線遮蔽材が含まれており、メーカーにとって、紫外線の防止策は大きな課題という。

 ただ、県セラミックス研究所によると、現在、使われている遮蔽材の粒は小さく、均一に分散した状態を安定的に保ちにくい性質がある。そのため、粒の間から紫外線が通りやすい欠点がある。

 同研究所などは2008年度から文部科学省補助金約4000万円を受け、紫外線の遮蔽材を均一に分散できる方法の研究を産学官の共同で始めた。

 研究では、形状を変えやすいアルミ化合物「べーマイト」に着目。現在、使われている遮蔽材に含まれている粒状の酸化セリウムと酸化チタンに、うろこ状の形状をしたべーマイトを合成し、複合粒子を作った。

 この複合粒子は、べーマイトに粒状の酸化セリウムなどが付着する形となり、遮蔽材の均一的な分散に成功。実験では従来の遮蔽材の場合、紫外線のカット率が30%程度だったが、開発した複合粒子は85%以上に達するという。

 県と河合石灰工業は今年3月、開発した複合粒子とその製造方法について特許を出願した。化粧品などの試作品も製作したほか、農業用ビニールハウスやプラスチックのメーカーも興味を示しているという。

断熱フィルム

遮熱フィルム

uvカットフィルム

紫外線カットフィルム

プライバシーフィルム

窓ガラスフィルム

飛散防止フィルム